クロス [その1]
クロスについて
[条件]
A 新設 → 新しく壁を作ってクロスを貼る
(新築・間仕切壁を新しく設置)
B 改修 → 壁はそのままで、クロスを剥して貼替える
(間取り等は変更せず、表面材のみを貼替える)
[上記条件での注意点]
A 新設
① 下地材が新しい為、新しいクロスを貼りやすい。 (どのクロスも同条件での施工が可能)
B 改修
① 古いクロスを剥した際に、下地の条件により向き・不向きがある。
- 石膏ボ-ド等の場合 ・・・ クロスを剥す際は、石膏ボ-ドに何層も重なった『紙』を同時に剥す事となり、剥した各部分により、その『紙』が1層目で剝れた部分、2層目で剝れた部分、3層目・・・4層目・・・と、 剝れた状態等により、各所でまばらとなってしまい、下地ボ-ド紙に『段差』が発生してしまいます。 ※ (実際の所、剥してみなければわかりません)
- ベニヤ、板材等の場合 ・・・ 綺麗に剥がれる部分と、剥すクロスの裏面 (製品として裏面に貼っている紙) に重なって貼られている『紙』が綺麗に剝れず残ってしまう事があります。 ※ (実際の所、剥してみなければわかりません)
② 段差を補修する為、パテ等にて段差を修繕する。
- 段差部分にパテを盛り付け、乾燥後、ペーパー等にて削り落とし、凹凸を調整します。
- 小さな穴や破損は、パテ補修が可能です。(大きな破損は、石膏ボ-ド等の部分補修が必要となります)
- パテを削る際、可能な限り、平ら (フラット) になるよう、削り取り調整します。 ※ (精度は、職人による経験則での『目利き』調整になる為、完全な平らではありません) ※ (完全に平ら (フラット) にする事は、現場手作業の為、不可能です)
<< 注意 1 >> 下地が完全なフラットではない!!
その為、注意すべき点として、 [上記A] で述べた『どのクロスも同条件での施工が可能』
という条件に制限が掛かります。
実際は、どのクロスを貼る事という事は、可能なのですが、その仕上がり具合に変化がみられます。
[check 1] 薄いクロス (凹凸の少ない物・触り心地がサラっとしている物) は、下地の
凹凸をひろい易く、仕上がった際に凹凸が目立つ可能性が非常に高いです。
その事より薄いクロスは、新設工事に向いている材料といえます。
[check 2] 柄物のクロス (花柄やキャラクタ-、星など) も凹凸部分での表情が異なって
しまう可能性があります。
[check 3] 部屋の照明器具の条件により、その凹凸が強調されてしまいます。
また 『電球色、蛍光灯色、昼光色』 によっても
表情が異なってしまいます。
※ (特に凹凸が目立つ条件は、下から照らす電球色の間接照明です)
(実際の品質検査の際にも使われるチェック方法です)
電 球 : 蛍光灯色 < 昼光色 < 電球色
明かり方向 : 真 横 < 角度付 < 上下から
[まとめ]
上記の事より
1. 薄手、単色、規則パターン柄は、新設時に向いたクロス
2. 厚手、多色、不規則パターン柄は、改修時に向いたクロス
3. シンプルな物ほど、下地の凹凸をひろい易い
4. 照明器具の条件により、クロスの表情が異なる。
また次回は、施工時の注意・光での表情違い・ こんな職人はNGを書きたいと思います。
ありがとうございました。